出身大学とその後のステータスには相関関係があり、出身大学が幸せ度にも影響していることは事実だが、卒業してしまった以上、出身大学のことなど気にしていても仕方がない。転職になるとそれほど大学名は関係ないというアンケート結果も出ている。
「学歴にこだわる人って、社会的に恵まれていない人なんじゃないかと思いますね。高学歴の人は『オレは○○大学出なのに』、低学歴の人は『自分はしょせん××大学だから』と、学歴を引きずっている。でも、社会に出てしまえば実力勝負で、大差はないですよ。大学名よりも個人の能力差です。仕事の満足度や幸せ度を学歴のせいにするのは、責任転嫁だと思いますね」(石原氏)
「出身校コンプレックス」の解消には、40代のバブル世代の生き方にヒントがあると石原氏は言う。
「今の40代は、就職難の若者には気楽に見えるだろうが、わりとたくましく、バブルもリーマンショックも乗り越えてきた。若いうちは、それほどお金もないのにクルマを買い、スキーやデートにお金を使い、『今』を精一杯楽しんだ。20代の若いうちに堅実になりすぎず、今を楽しむ体験をしたほうが、年をとっても幸せ度が高いのではないか。若いころから堅実に生きることで、使い物にならない40代になってはいけない」
就職や恋愛の失敗を大学のせいにせず、何事も楽しむこと。経験を積み、大人の世界に場馴れをすること。それが、学歴に縛られた世界から大人の実力社会への脱皮なのだ。