さらに筋肉が減ると、基礎代謝量も減り、やせにくく太りやすい身体になります。筋肉量が少ないので消費されるエネルギー量(カロリー)が減少し、少ししか食べなくても太ってしまうのです。カロリー制限ダイエットに失敗してリバウンドしてしまう人が多いのはこうした理由からなのです。
厳しいカロリー制限に挫折しリバウンドしてダイエット前の体重に戻った場合、体脂肪率は以前より上がります。しかも筋肉が減って基礎代謝が減るため、より太りやすい体質になり、ダイエット開始時よりもさらに体重が増えてしまう可能性が高いのです……。
中高年者の場合、もともと加齢にともない筋肉が衰えて、筋肉量が減っていく傾向にあります。そこに運動をまったくせず、カロリー制限だけのダイエットを行うと、筋肉が加速度的に減少してしまうことに……。つまり若い人に比べ、食事制限ダイエットによる筋肉量の減少がより顕著に表れるわけです。
筋肉量の減少は、他の章でも紹介したように血液やリンパの循環が悪化し、冷え性を誘引したり内臓の働きを悪くしたり、免疫力の低下、さらには動脈硬化の進行など身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
もともと中高年者は筋肉が衰えて減っていく傾向にあるのに、食事制限のダイエットなどを行えば目も当てられません。
ダイエットをする場合は、必ず身体を動かす運動をして筋肉を鍛えることが必要なのです。無理のない程度の食事制限を行いつつ、併せて運動しましょう。運動することで筋肉量を増やせば基礎代謝量が増えるので、自然とやせやすい身体になります。
ダイエットをするなら、まずは運動で筋肉量を増やすこと。
そこに適切な食事制限が加われば徐々に体脂肪も減少し、すっきりした身体になっていきます。くれぐれも食事制限だけによるダイエットはしないこと。中高年者の場合は「寿命を縮める」危険があることを心に留めておいてください。
※本連載は『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』(宮崎義憲 著)からの抜粋です。