“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

厚生労働省「国民健康・栄養調査結果の概要」(平成22年)によると、日本人の肥満の割合は男性30.4%、女性21.1%。つまり男性の3人に1人、女性の5人に1人が肥満なのです。

ちなみに肥満の判定にはBMI指数が用いられています。体重(キロ)を身長(メートル)で2回割って算出し、日本人の場合はBMIの値が25以上で肥満と判定します。155センチの人なら体重61キロを超えるあたりから肥満度1に、170センチなら73キロを超えるあたりから肥満度1に判定されます(BMIS資料より)。

肥満イコール不健康というわけではありませんが、肥満度が2、3、4と進んでいくと血糖値やコレステロール値、中性脂肪値が上がり、また肝臓の健康度を示す検査値GOTやGPTも上昇していきます。これらの数値で異常値が長期間続けば、糖尿病や高脂血症、高血圧症、さらには膝関節症といった生活習慣病にかかる危険度が大幅に高まります。

ちなみに年代別に見ると肥満の割合は男性では50代が37.3%と最も高く、次いで40代が35.2%。一方、女性は年齢が上がるにつれて肥満の割合が高くなる傾向があり、70以上で27.1%と最も高くなっています。つまり肥満は男女とも40代以降に増えていくということです。

40代を過ぎたら、年を重ねていくたびに、太らないよう注意したほうがいいということです。