「お灸はちょっと難しそう」という方は、効果は少し弱まりますが、蒸しタオルなどで首を温めるのもいいでしょう。首は体幹につながっているので、ここに熱を与えるだけで全身を温めることができるのです。

ぬらしたタオルをラップにくるんで電子レンジで温めます。ポイントは、熱く感じる程度まで温めること。お灸が効果的なのは、高温になるからです。蒸しタオルもある程度熱めにしたうえで、やけどしないようビニール袋に入れて調節をしながら、首の後ろが赤くなるまで温めます。ビニール袋に入れることで保温性が高まり、蒸しタオルが冷めにくくなります。

最近では、ジェルや小豆を入れた温熱パッドなど、電子レンジで温めて使う手軽な商品もありますし、ペットボトルにお湯を入れて、温めるのも有効です。皆さんの家庭で使いやすく、お子さんが心地よく感じるものを選んでやってください。

試験前で本人が、のんびり温めているような気分ではないときには、先述したツボにニチバンの「ロイヒつぼ膏(こう)」を貼っておくのもいいでしょう。小さな温湿布なので、じわじわと熱が伝わり、首を温めます。なお、熱が高いときは、保冷剤や氷のうなどで頭を冷やすことも忘れないでください。

手当てによって汗をかいたら、体を冷やさないよう、こまめに着替えさせてください。綿の肌着は吸湿性に優れているのでいいように思われがちですが、汗を吸った後は体を冷やすので要注意です。肌着はウールかシルク、あるいは、ユニクロの「ヒートテック」など、ぬれても保温性の高い化学繊維素材のものを選びましょう。