リアリティのありすぎる看護師役

メリハリのある動きも持ち味のひとつ。それが「医」療従事者役に実にしっくり。

看護師
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ナイト・ドクター』(2021年・フジ)ではベテラン看護師役。セリフは少なくても、テキパキとキビキビという擬音が聞こえてきそうなほどの安定感と説得力。前述の『ザ・トラベルナース』では我が道を行く看護師役、そして『アンメット』(2024年・フジ)では麻酔科医役を演じた。

初恋DOGs』(2025年・TBS)では動物看護師役、日曜劇場『リブート』(TBS)では、別人に造作を変える凄腕形成外科医、つまり闇医者役もこなした。緊急時にうろたえない度胸、白衣やユニフォーム姿もすっかり板についていたっけ。

一方で、実は教員役も増えている。熱血教師ではなく、色恋沙汰の難あり教師だ。聖職でも間違える、人間味あふれる役を体現。貫地谷しほりと神尾楓珠の密かな名作「顔だけ先生」(2021年・フジ)では、男子生徒(若林時英)と一線を超えてしまった教師を演じた。

総スカンを喰らうリスクもあったが、野呂佳代は観る者に寛容な心をもたらした。尊い純愛だったからか、自虐マジックが功を奏したのか。第6話は神回と言ってもいい。

もうひとつは『なんで私が神説教』(2025年・日テレ)で演じた学年主任の教師で、教頭(小手伸也)と不倫している役だ。コミカルな立ち位置で、不倫してはいるが諦観と失笑と同情を誘った。

「銀河の一票」は代表作になる

そして現在放送中の「銀河の一票」ではスナックのママだが、前職は養護教諭。都知事を目指して奮闘する役どころだが、もう毎回泣いてるのよ、野呂佳代が。その涙はすべて温かくて優しい。自分も命を絶とうとして救われた過去があり、困っている人をほうっておけない、そんな月岡あかりを熱演。野呂佳代のこの10年の集大成的な役どころで、間違いなく代表作になると確信している。

「徹子の部屋」で今後挑戦したい役を聞かれ、「恋愛ドラマのヒロイン、月9の恋愛ドラマやりたいです」と話した。「言う分にはタダなんで」と付け加えて笑いを誘うも、案外実現しそうな気もする。そもそもフジテレビ系との相性はいいし、今までの役も実は恋愛市場の最前線にいる設定が多かったから。これが「恋」だ。

強烈で最も刹那だったのは、大河『光る君へ』(2024年・NHK)のぬい役。藤原道長(柄本佑)の従者・百舌彦(本多力)と逢引きする女だ。セリフはなくても、あの逢引顔は忘れない。『光る君へ』で一条天皇を好演した塩野瑛久の不倫相手を演じたのは「不倫をコウカイしてます」(2020年・テレ朝)だ。既婚者をつまみ食いする色気と、打算的な図太さ、危機回避能力の高さが半端なくて快哉を叫んだよ。

また、看護師役でも、イケメンや筋肉に目敏く反応する設定だった。合コンに行けば野呂佳代だけがモテる場面も。恋愛市場の最前列に並んでいる自覚をもち、適度な色気を発する女を体現し続けてきたので、恋愛モノ主演のオファーがあってもおかしくない。あとは事務所の戦略と力量次第だ。