伝説が始まったフジの深夜ドラマ
また『こんな未来は聞いてない‼』(2018年・フジ)では、主人公で高校生の花園佳代(田辺桃子)を未来から叱咤激励に現れる30歳の佳代を演じた。
高校時代に気後れして恋愛に発展しなかったせいで、30歳になっても独身だと文句を言う。タイムスリップモノのお約束をガン無視、過去を積極的に変えようとする過干渉っぷりだが、おかしくて切ない。フジ深夜枠で女優・野呂佳代伝説は始まったのだ。
女子大生たちが酷い目に遭い、復讐を企てる「SHUT UP」(2023年・テレ東)では、性暴力被害者の女性を支援する自助グループ代表役(明瞭で温かい声に説得力あり)、『西園寺さんは家事をしない』(2024年・TBS)では家事スキルゼロの主人公(松本若菜)の幼馴染役。「クラスメイトの女子、全員好きでした」(2024年・日テレ)では主人公(木村昴)の同級生で、3児を育てる肝っ玉母ちゃん風の橘文香役。どの役も「適温の配慮と優しさ」を感じさせたのである。
デリバリーを頼みすぎて殺される
ダイエット番組をクビになったり、料理動画を配信してきた野呂佳代。初期は、その柔らかいフォルムと「食」を繋げるキャスティングも多かった。
「科捜研の女」Season19(2020年・テレ朝)では、鮨・ピザ・中華とデリバリーを頼みまくって殺された被害者役。劇中にダイエット番組も出てきて、完全なる野呂シフト。野呂佳代ありきの回だった。その後も「食べることが好き」な設定を背負うことに。
似合うという意味で覚えているのは『ザ・トラベルナース』(2022年・2024年、テレ朝)で着ていた服である。ポップな食べ物柄のTシャツ(鮭の切り身や練乳など)が可愛くてね。芸人・渡辺直美がプロデュースしたブランドPUNYUS(プニュズ)のTシャツで、これを着こなせるのは野呂佳代無双、と思ったよ。
そうそう、女性誌『la farfa』(現在は休刊)ではプラスサイズモデルとしても活躍。特にマニッシュな着こなしが予想外に素敵だったし、保険外交員や区役所窓口にこういうシゴデキ女性がいそうだなというリアリティもあったことを思い出す。

