慌てたのは、店を任されていた店長だった。危機感から山下さんと出店時間を競うようになり、競争は両者とも始発の電車で出店するまでヒートアップ。だが、山下さんが原付バイクを購入したことで決着がついた。

山下さんは1日も休まずに出店を続け、わずか2カ月半で念願の店長になった。

「どうすれば年収1億円稼げるようになりますか」

こんなストレートな質問をする人はあまりいないだろう。遠慮や羞恥心、自尊心が邪魔してなかなか聞けないものだ。

だが、山下さんは違った。年収1億円を目指すなら、それを達成している人に秘訣を聞くのは当然という発想である。

さらに、山下さんには、すすめられたことを迷いなく試す素直さがある。

じつをいうと山下さんには、朝いちばんに出店することと、年収1億円がどう結びつくのか、まるで理解できなかった。

だが、せっかくのアドバイスも、実行に移さなければ役には立たない。まずは黙って、言われたとおりにやろうと決めたのだという。

そのときの自分には理由がわからなくても、成功者のアドバイスには必ず何らかの意味がある。このことを山下さんは知っていたのである。

なお、山下さんは國分社長からの残りのアドバイスのうち、「10年間休みなく働く」をすでに達成している。3つめの「10年計画を立てる」を実践していることは、言うまでもない。

【年収1億を生む黄金則】成功者からのアドバイスは、意味や理由がわからなくても試す。

(※『プロフェッショナル ミリオネア』(プレジデント社刊)第4章「さらけ出す、信頼を得る」より)

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