世界の一流大学の授業が、インターネットを通じて無料で受講できる大規模公開オンライン講座(MOOC)。だがここにきて、オンライン大学に新しいトレンドが生まれつつある。その名も、「小規模非公開オンライン講座」(SPOC)だ。
口火を切ったのは、2012年から「edX」というMOOCを展開するハーバード大学。同大学の公共政策大学院「ケネディースクール」は、アメリカの安全保障と報道の関係をテーマにしたオンライン講座を、500人限定で13年10月より開講した。
受講希望者には課題エッセイなどによる審査があるほか、毎週の宿題やオンライン・ディスカッションへの参加も必須。マサチューセッツ工科大学(MIT)やカリフォルニア大学バークレー校、ケンブリッジ大学なども、続々と同様の人数限定型講座を開講している。
ケネディースクールの講座は実際の教室でも行われている人気講座で、常に受講希望者が定員を大幅に上回る状況だった。
SPOC版には、そんなケネディースクールの学生への便宜と同時に、ハーバード大の講座の平均で「中退率」が9割に達するMOOCより、もっと「本気」の受講者を集めようという狙いがある。各大学が今後、より本格的なオンライン教育を追究していくなら、人数限定型のほうが主流になるかもしれない。
(Getty Images=写真)