皇籍復帰する考えを持つ4人の男系男子

新潮(6月4日号)によれば、養子案というのはすでに密かに進められていて、昨年4月に玄葉光一郎衆院副議長(当時)が与野党協議会終了後の会見で「4宮家に未婚の男系男子がいるとの前提で議論が行われてきた」という旨を明かしていたというのだ。

その4宮家とは、1947年に皇籍離脱した旧11宮家のうち賀陽かや久邇くに・東久邇・竹田の各家を指す。

八木秀次麗澤大学教授はこういっている。

「政府側がそういう説明をしたということは、すでに事務方が“応じてくれる人はいる”との感触を得ていると考えるのが自然です。実際、私も“必要とあれば皇籍復帰する考えを持つ男系男子が4人ほどいる”と聞いています」

加えて、保守派の中には早くも、皇室入りする旧宮家の男系男子と愛子さまとのご成婚を望む声も上がっているというのだ。

「仮にそうなれば、愛子内親王殿下は妃殿下として皇室にお残りになり、男児が生まれれば天皇家直系かつ男系男子となります。『皇位継承』と『皇族数確保』という二つの観点から理想的だと考える人たちがいるのは事実です」(同)

麻生太郎が狙う「摂関政治」

一方で、典範改正を目指す“前のめり”の動きに疑問を投げかけるのは、象徴天皇制に詳しい河西秀哉名古屋大学大学院教授である。

「愛子さまの結婚問題と養子案を絡めて議論されることの多い昨今の風潮には強い違和感を覚えます。そもそも上皇さまも天皇皇后両陛下も2代続けて恋愛結婚でした。しかし現在進む議論では、一番重要な愛子さまのご意思が考慮されていないように映ります。それゆえ旧宮家の男系男子と愛子さまのご成婚を望む声に対し、“政略結婚だ”と反発の声が上がっているのです」

実際、宮内庁でも不協和音が生じているという。

「陛下と皇后さまも、娘である愛子さまのお気持ちを尊重するお立場に変わりはありません。できれば、自然な人間関係の中で恋愛結婚されるのが望ましいと考えておられると伺っています。それに反するような形で、養子として皇室入りする可能性のある方が愛子さまの結婚相手に擬せられる論調に対し、庁内では不快感を示す人間も少なくありません。他ならぬ上皇后さまもまた、こうした動きには少なからぬ困惑を覚えておられるといいます」(宮内庁関係者)

河西教授の言う「政略結婚」というのは、私なりに解釈すると、麻生太郎副総裁の妹・信子氏が最近、三笠宮寛仁親王妃家という皇室を立ち上げ、当主になった。

そこが「男系男子の養子」を受け入れ、麻生家が外戚がいせきになるという“タクラミ”のことではないか。

麻生太郎。2016年6月22日、センター北駅にて撮影
麻生太郎。2016年6月22日、センター北駅にて撮影(写真=Pollyanna1919/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

「この世をば 我が世とぞ思う望月の 欠けたることも なしと思えば」

と歌った藤原道長(平安中期)は、自分の娘4人を次々天皇の妃にして「摂関政治」といわれた。

摂関政治とは、天皇の外戚という立場を利用して政治のトップに立ち、実権を握る政治体制である。麻生氏はそれを狙っているのではないのか。