時の政権が軽々に決めるものではない
2005年に答申された小泉純一郎政権時代の有識者会議の報告書は「女性・女系天皇の容認」を柱としていた。だが、2006年、紀子さんが懐妊し、同年、皇室に41年ぶりの男児となる悠仁さんが誕生。当時の皇室典範改正案は立ち消えになった経緯がある。その有識者会議で座長を務めた吉川弘之元東京大学総長が文春にこう話している。
「私たちは『国民感情も踏まえた日本の在り方はどうあるべきか』という観点で徹底的に議論し、女性・女系を否定してしまうと天皇制を途切れさせかねないと結論付けました。悠仁さまがいらっしゃるので今はよいのですが、成長された愛子さまが候補に挙がるほど、近年では女性天皇のイメージも世の中に浸透しています。時の政権が軽々に決めるのではなく、あらゆる選択肢を含めて、もう一段深い国民的な合意を探る議論があってもよいのではないでしょうか」
高市首相が総務相時代の部下で、現在、宮内庁長官の黒田武一郎氏に文春が直撃している。
――世論調査では愛子天皇を期待する声が多数だが。
「そういうデータがあるかどうか、報道でしか分かりませんが、それに一つひとつ答えることはない。とにかく今、政府は報告書の考え方を尊重すると、国会に出しているわけですから」
まるで他人事である。
国民の7割が女性、女系天皇を支持
愛子天皇は、物価高や社会保障の行き届かないこの国の人間にとって、唯一の「希望」なのである。
その希望が潰えてしまえば、この国は“奈落”に堕ちるしかないのではないか。
朝日新聞(5月18日付)が行った世論調査によれば、
《「女性天皇」は72%、母方だけに天皇の血を引く「女系天皇」については74%が容認する考えを示した。
(中略)
今回の調査では、天皇について、「女性もなれるようにした方がよい」が72%で、「男性に限った方がよい」の18%を上回った。「女系を認めてもよい」が74%に対し、「男系を維持する方がよい」は18%にとどまった。
自民支持層では、「女性天皇容認」が68%、「女系天皇容認」が70%。維新支持層は「女性」「女系」ともに容認派が7割を超えた。男女別にみると女性回答者の方が男性回答者よりも、「女性天皇容認」「女系天皇容認」の割合が高めだった。》
自民党、維新の会の支持者でも、女性、女系天皇を支持する人が7割もいるのだ。
それなのに、高市政権は愛子天皇について全く触れないのは、どうしてなのだろうか。

