計画が不十分だと「手戻り」が増える

フルマラソンを走ったことがなくても、「10キロを走れるペース」と「フルマラソンが42.195キロである」という事実から、タイムを推測することはできます。

時間をたくさん確保したからといって、時間内に走りきれるとは限りません。「ちゃんと5時間確保したから、フルマラソンは走りきれるだろう!」というのは、量を正確に把握できていない無謀な目標です。

仕事も同じです。

時間をたくさん確保したからといって、その仕事が時間内に終わるとは限りません。

事前に「どんな作業があって、それぞれにどれくらい時間がかかるのか」を具体的に考えておかないと、仕事が終わるかどうかはわかりません。

「どんな作業があるのか」がわかっていないということは、マラソンのコースを把握していないようなものです。それでは走り出したところで、途中で「道が違った」と気づき、走り直すことになります。仕事で言えば「作業をしてみたけどやり方が違った」「ゴールが違った」などに気づき、作業をやり直すことにあたります。このように、計画が不十分だと手戻りが発生しやすいのです。

マラソンランナー
写真=iStock.com/tibor5
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実は「終わらない計画」通りに進めている

「どんな作業があるのか」「それぞれにどれくらい時間がかかるのか」を正確に見積もらないと、仕事は思い通りには終わりません。

もちろん、計画が曖昧でも、仕事が終わることもあるでしょう。

しかしそれは計画ではなく偶然です。たまたまあなたの見込みよりも作業量が少なかったために、仕事が早く終わっただけなのです。その場では良かったとしても、時間をとりあえず大量に確保しておく「大は小を兼ねる」的な見積もりでは、時間内に終わる保証もなければ、再現性もありません。

しかも仕事はフルマラソンとは違って、事前に距離がわかっているとは限りません。10キロのマラソンなのか、50キロのマラソンなのか、はたまた100キロのマラソンなのかすら、わからないことがあります。「5時間で走り切ります!」と大会本番でいきなり走り出したからといって、毎回5時間以内に走りきれるとは限らないのです。

そう考えると、具体的な仕事内容を考えないまま「とりあえず丸一日あれば終わるだろう」という見通しが、いかに楽観的すぎるかがわかります。

つまり仕事が終わらないときには「終わるような計画」を立てられていないのです。

これは、逆に次のようにも表現できます。

「終わらない計画通り」に進めているので「終わらないのが計画通り」である、と。

「仕事が思い通りに仕事が終わらない」のは、あなたが計画を立てていないからではありません。計画を立てているつもりなのに、実は「終わらない計画」を立ててしまっているからなのです。