すぐに作業に着手するのは「逃げ」

仕事をうまく進められない人は、すぐに作業に着手しがちです。目の前の作業はイメージできるので、すぐに着手して、あとの作業については「そのときになったら考えればいい」と思ってしまうのです。

つまり「やってみたけど終わらなかった」というのは、「そもそもわかっていないにもかかわらず、手を動かし始めてしまった」「終わり時間を適当に見積もってしまった」のほうが、実態に近いのです。

すなわち「いつ終わるかちゃんとわかっていなかったのに、計画として決めてしまった」。そしてその「適当な見積もり」がいつの間にか「計画」になってしまったのです。

どれほど適当な見積もりでも、上司やお客さんに伝えていれば、それは「期限」になります。それでは終わる計画がないままにスタートしていることになってしまいます。

私がかつて働いていたコンサルティング会社では「作業に逃げるな」という表現がよく使われていました。目の前のわかりやすい作業に飛びついてしまうのは、全体像を「考える」ことを避けています。すなわち、すぐに手を動かすことは「逃げ」だとされていたのです。作業に逃げると、期限に間に合わなくなったり、間に合わせるために品質が低いまま提出せざるを得なくなったりします。

計画の速さが仕事の速さを決める

私は、仕事が速い人は「計画を高速で立てられる人」だと考えています。

そのスピードの源泉は経験からくる場合もあれば、仕事を「分解」する力からくる場合もあります。要するに「こうすればうまくいくよね」と思えるレベルまで準備するのが速いのです。

萩原雅裕『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』(ダイヤモンド社)
萩原雅裕『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』(ダイヤモンド社)

高速で精密な計画を立てることができれば、実行段階で迷うことなく進められます。

「終わる計画を作る」計画モードは、ここで使います。終わるように、つまり最後までたどり着けるように計画を立てるための技術が計画モードです。この準備が整ってこそ、次の「実行モード」で迷うことなく、集中して作業を進められるようになります。

計画モードをうまく使いこなせるようになれば、仕事のスピードは確実に上がります。作業の速さだけで2倍3倍の差がつくかというと、そこまでの差はつかないと思います。ですが、私の感覚では「計画モード」の速さは簡単に10倍ほどの差がつきます。仕事の速さは、実は「計画モード」での準備の速さで決まるのです。

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