選挙で圧勝し、国民の支持も高いことで、それでも政治を前に進めることはできている。しかし、それはあくまで高市首相に対する「期待感」が強いからに他ならない。問題は、期待感だけでは対処できない、厳しい現実に直面したときに、果たして孤独な首相がそれを乗り切れるかどうか、ということだ。
自分の考えに固執し、他人の忠告や助言に耳を貸さないだけではない。本人が間違ったと思っても、それを真摯に認め、方針を転換することが極めて苦手なように思える。
そんな孤独なリーダーで、これから現れる危機に対処できるのだろうか。
ナフサだけではない。日中関係も次第に深刻さを増している。
米中首脳会談の後、トランプ大統領からの電話について「大変なお力添えをいただいたということで、深く感謝を申し上げた」と満面の笑顔で紹介した高市首相だったが、その後、会談の中で習近平国家主席が高市首相を名指しで軍国主義を進めていると激しく非難していたことが明らかになった。
トランプ氏は、高市氏を擁護してくれたということだが、それでもこじれた日中関係を修復する道は容易ではないことも明らかになった。
「かけ声」より「成果」を
中国側の強圧的で傲慢な態度もあって、国民の間でも「反中感情」が増し、それが高市内閣の支持率を押し上げている。だが、中東情勢の悪化で厳しさをます経済環境に中国との関係悪化が続けば、さらに日本経済が苦しい状態になることも間違いない。
日中関係がこじれたのは、高市首相の不用意な国会答弁がきっかけだった。中国側の態度にも問題があるからといって、このまま放置していいわけでもない。
訪中した赤沢亮正経産相が中国側の要人と立ち話をしたり、中国の炭鉱事故で首相自らお見舞いのメッセージを出したりと、関係修復の糸口を探ろうという動きも始まっているが、政府与党内でも、当分は関係修復は難しいだろうという見方が広がっている。
次々に重なる危機の連鎖は、確実に高市首相の足元を揺らし始めている。首相を中心にどんな戦略を立てていくのか、発足から7カ月が過ぎた高市政権は、徐々に正念場に近づいている。


