フロイス「ヨーロッパの塔より気品がある」

安土城の具体的な威容は『信長公記』やイエズス会宣教師、ルイス・フロイスの記録などから、ある程度は推定が可能だという。史料から推論すると五重六階・地下一階で全高は約32メートル、もしくは約46メートルなど、見解は分かれている。いずれにせよ、数十メートルの建物が標高198メートルの山の頂に立っていたのだから、壮観だったに違いない。

最上階の信長居住スペースである天主は、一辺が三間(約5.45メートル)の正方形の望楼ぼうろう(周囲を見渡せる建造物)だった。

天主の周囲には廻縁まわりえんと呼ばれる縁側を設け、転落防止の高欄こうらん(手すり)が付いていた。廻縁と高欄は鮮やかな朱塗りだったと考えられ、遠くから見ても映えた。また全階が書院造りだったという。