笑顔にも休暇をあげる
家庭においては、母親や父親という役割が重くのしかかることがあります。
「子供が生きがい」と語る人がいます。子供の前で笑顔を見せることは素晴らしいことですが、その笑顔が無理をして作られたものなら、いずれ親も子も、心が疲れてしまうでしょう。
親である以前にひとりの人間としての自分がいるはずで、もしかしたら親の顔以外も大事にすることが、長い人生においては必要なのかもしれません。
人間にはさまざまな役割があり、それをすべて放棄することはできません。仕事における役割、家族としての役割、友人関係の中での役割。これらは社会で生きていく上で避けられないものです。
例えば私たち医師は、患者さんの前で弱みを見せられないのは当然かもしれません。しかし、白衣を着ていない時間まで医師でい続ける必要はないでしょう。
看護師さんをよく「白衣の天使」と呼ぶことがありますが、白衣を着ているときに求められる「優しさ」や「安心感」は職業上の役割でしかありません。それを24時間続けるのは人間として無理ですし、もしそうなら、それは人間ではなく本物の天使でしょう。
白衣を脱げば、ただのひとりの人間に戻っていいはずですよね。同じように、私たちの笑顔も「役割の一部」であることが多いはずです。
職場での愛想笑い、友人関係を円滑にするための笑顔。これらはやさしさから始まったもので、決して悪いものではありませんが、笑顔を「休ませる時間」を取らなければ、やがて心が疲れ切ってしまう。
「笑顔に休暇をあげる」という考え方はどうでしょう。
自分だけの表情でいられる時間を持つ
無理をして笑うことをやめ、誰にも会わず、何も話さず、ぼんやりと過ごす時間があってもいいでしょう。
常に笑顔でいる必要はありません。無理にポジティブを装うよりも、今の自分の感情をそのまま受け入れていれば、心は自然に回復していくはずです。
家に帰ったら仕事の顔を脱ぎ、母や父という顔をオフするためにひとりで銭湯に行く、映画を見に行く。誰に気を使うこともなく、自分だけの表情でいられる時間を持つ。
それが心を整え、翌日また自然な笑顔を生む力になるのです。笑顔をお休みして心も体も回復したとき、あなたの本当の笑顔が見られるのではないでしょうか。
あなたがあなたを一番に愛してあげましょう!


