病気をしたときは担当医とできるだけいい関係で治療を進めたいもの。患者としてのコミュニケーションのコツを伝授しよう。
東京医療センター教育研修部臨床研修科医長・臨床疫学研究室長。90年、岐阜大学医学部卒。著書に『医師アタマ』などがある。
入院した際などに医師よりも顔を合わす機会が多いのが看護師である。より患者に近い存在として、医師よりずっと親しみやすい存在であろう。看護師とうまく付き合えば、医師との連携もスムーズに進むはずである。
「看護師には医師とのバッファー(調停役)になってもらうといいんです。医師の話がよく理解できなかったときなど『先生の話したことの、この部分がわからなかったんですが』といった形で説明をお願いすることはできます。ただ、治療内容などになると、看護師は責任が取れないし、薬の処方もできないので、あくまで助言と治療内容の理解への援助をお願いすることになります」
看護師は医師と患者の間をつなぐ役目も持っている。入院中だったら、自分が困っていることをすぐに伝えられるバッファー的存在になってくれる看護師との良好な関係をつくっておくといいようだ。
米国ジョンズ・ホプキンス病院でペイシェント・アドボケートとして勤務。東京医科歯科大学で医療コミュニケーション研究を行う。NPO法人架け橋の理事。
尾藤誠司さんはいう。「看護師の仕事は、看護師の中で完結できる業務と、医療チームの一員として、医師の指示をあおぐ必要のある業務の主に2つです。看護師はそれをうまく使い分けて仕事をしているので、患者さんもそこを踏まえて、よい関係をつくってほしい」。
医師と看護師の関係についても注意してみておいたほうがよい。岡本左和子さんは自分自身の経験を次のように語る。
「私の父が入院したとき、主治医が多くの患者のいる場で一方的に看護師を怒鳴りつけたのを目撃しました。私はこんな病院に父を置いておくのは危険だと感じました。医師と医療スタッフのコミュニケーションが成り立っていない病院は、システム上も医療安全面からも危険だと思ったのです」
病気という「敵」を攻略するために、チームで団結し、助け合う――そのためにはスタッフとのコミュニケーションは欠かせない。闘うべき対象は医師や病院ではなく、病気。患者を中心に医師、看護師、その他のスタッフ全員の風通しのよいコミュニケーションがはかれたときには、病気と闘う力がきっと強くなるはずだ。
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