病気をしたときは担当医とできるだけいい関係で治療を進めたいもの。患者としてのコミュニケーションのコツを伝授しよう。
米国ジョンズ・ホプキンス病院でペイシェント・アドボケートとして勤務。東京医科歯科大学で医療コミュニケーション研究を行う。NPO法人架け橋の理事。
多くの情報がインターネットで飛び交い、簡単に検索ができる時代、担当医が提示した治療内容に疑問を持つ患者が出てきても不思議ではない。では、どういう聞き方をすれば担当医にうまく対処してもらえるのだろう。
「『この治療法でやりたい』と訴えるのではなく『こんな治療法を聞いたのですが、どう思われますか?』という聞き方をするのがベスト。否定されたら『どういう理由で先生はそれを勧めないんでしょうか?』と尋ねればいいでしょう。まともな医師なら納得できる説明をしてくれるはず」(岡本左和子さん)
岡本さんが働いていたアメリカの病院には様々な事情を抱えた日本人患者がやってきていた。子宮がんを患っていたある患者は、周囲に病気を知られたくないという理由で渡米したが……。
「彼女は自分がインターネットなどで調べた腹腔鏡での手術を望んでいました。しかし、病状は進んでおり、渡米したときは、すでにそれが不可能に近い状態だったのです。それでも彼女は腹腔鏡手術に固執し、開腹手術を頑として受け入れません。『開腹手術が得意だから勧めるんでしょう』と、聞く耳を持たなかったのです」
最終的には医師が腹腔鏡の長所短所を詳しく説明、納得してもらったそうだが、結果、対応に時間がかかったそうだ。治療法について調べるのは、決して悪いことではないが、結論は専門家の意見を最大限尊重して出したい。
いわゆる「民間療法」を試してみたい場合にも同じことがいえる。
「民間療法については、いわば西洋医学にあだなすものといった意識があり、一律に医師は否定的なものです。実際、思わぬ副作用が出ることもあります。そのデメリットも知っておかないといけないので、黙って試さずにまずは『こういう民間療法を試してみたいと思うのですが、どう思われますか』といった形で相談してほしい」(尾藤誠司さん)
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