ナチスに頼るしかない空気

二つ目の理由は、イギリスは直前の第一次世界大戦で多くの犠牲を出していた、ということです。

第一次世界大戦が終了したのは1918年ですから、多くの家族は未だ、戦争によって家族を失ったという悲しみの最中にありました。特に、オックスフォードやケンブリッジのエリート学生を子に持つ親や親族は、彼らがそのエリート意識ゆえに戦況の厳しい激戦地へと送られて亡くなっていたことから、深い悲しみの中に沈んでいました。

そんな国民に、再びあのような悲惨を味わわせることはできない、というのは人間として当然の感情だったでしょう。