時間が足りないと嘆く経営者は多い。そうした会社では社員も時間に追われている。なぜ時間が足りなくなってしまうのか? 経営者は時間とどのよう に向き合うべきなのか? 会社を強くする時間の仕組みとは? 経営者の視点から時間術を語り、経営者のみならず一般社員からも多くの支持を得ているのが 『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』(小山昇著)だ。経営のカリスマとして全国の社長から厚く支持される小山氏が時間の使い方について語った。
武蔵野は、毎日、朝7時半から8時半まで、「早朝勉強会」という朝礼のような集会を開いています。
最初の45分は、私が自著『仕事ができる人の心得』という本をテキストにして、その中の一節をランダムに抜粋して解説します。私の出張時はビデオ学習です。残りの15分で、社員が自分の気づきを発表する。発表する人は、30人から50人、多いときは100人もの人たちの前で自分のコメントを言うことになる。これでプレゼンテーションが上手になります。
こんなに朝早くから出勤するのは、「仕事は9時から」と思い込んでいる社員にとっては大変です。そこで早朝勉強会は強制ではなく自由参加で、1回参加すると500円もらえることにしました。奥さんに内緒のお小遣いがもらえるから喜んで参加する。
なぜ早朝に勉強会をするかというと、お客様から電話がかかってこないこともありますが、朝のほうが学んだことが頭に入るからです。
早朝勉強会はダスキン浅草(当時)が「小僧寿し」を始めたときに大久保真一社長が、夕方に勉強会をやっていたのを真似しました。見に行ったら、みんな1日働いたあとだから疲れて居眠りしている。そこで「それなら朝やればいい」と思って、朝開いたら、みんなやっぱり居眠りをしていた。結果は大差ありませんでした。そこで居眠りをさせない仕組みを作りました。居眠りをしている人、聞いていない人を狙って質問する。それから本のページをランダムに指定して、そこを音読させる。