時間が足りないと嘆く経営者は多い。そうした会社では社員も時間に追われている。なぜ時間が足りなくなってしまうのか? 経営者は時間とどのように向き合うべきなのか? 会社を強くする時間の仕組みとは? 経営者の視点から時間術を語り、経営者のみならず一般社員からも多くの支持を得ているのが『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』(小山昇著)だ。経営のカリスマとして全国の社長から厚く支持される小山氏が時間の使い方について語った。

私の観察によると、時間の使い方の下手な社員にはある共通点があります。

先の予定を組まない。先の見通しを立てずに、成り行き任せで行動する。このような人は、「時間を自分の意思でコントロールしよう」という意識が希薄です。だから突発的な出来事があると、とたんにそれに振り回されてしまう。

時間の使い方の下手な社員は、仕事に時間を割り振ります。

「この仕事を終わらせるには3時間かかる」とか、「この仕事には3日間かかる」と、仕事の量や難しさに応じて所要時間の予測を立てる。もしくは、まったく見通しを立てずに、自然に任せて、仕事が終わるまでやります。このような人が多いです。

みんな仕事を始める時間は決める。でも終わりの時間は決めない。その仕事が終わるまで、成り行きに任せている。

思い当たる節のある人は、まずは時間に関する考え方を根本から変えてください。

時間は自分の意思でコントロールできるものです。

これからは仕事に時間を割り振るのではなく、逆に時間に仕事を割り振るようにしてください。つまり「この仕事は1時間でやる」と決めたら、1時間後には多少強引にでも終わらせる。

そんなことは無理だと思うでしょうが、その気になれば誰でもできることです。

1番簡単な例で説明しましょう。今日は、仕事が終わったら送別会がある。いつもは19時まで仕事をしている。でも送別会が18時に始まるなら、どんな人も17時半には仕事を終わらせます。その日の昼休みを短くしたり、いつもは歩くところを自動車で行ったりして、間に合うように少しずつ調整する。

「何時までに終わらせる」と決めれば、誰でもその通りにできる。