高支持率を実現した“新しさ”

高市早苗首相の強みとは一体何だろうか。

世襲議員ではない。地方政界出身でも官僚出身でも、資産家でもない。しかも女性である。確かに高市早苗は、これまでの古い自民党にはいなかった最高権力者だ。閣僚や党幹部を務め総裁選に出馬した女性議員は何人もいたが、首相の地位にまで上り詰めたのは高市氏が初めてだ。

その存在自体が、結党から70年を過ぎ、耐用年数が過ぎようとしている自民党の文化のなかでは異質な存在であり、むしろ令和の時代にふさわしい新しい政治家のスタイルを感じさせることが、支持率が高い最大の要因だろう。

2026年4月15日、首相官邸で記者会見を行っている高市早苗首相
写真=EPA/時事通信フォト
2026年4月15日、首相官邸で記者会見を行っている高市早苗首相

マスコミが報じた素顔

就任から半年が過ぎて、大手新聞をはじめマスコミでは、高市政権の検証や高市氏の素顔を探る記事が目立つようになった。

共通しているのは、高市氏が全て自分一人で抱え込み、何事もトップダウンで決めるという、その政治スタイルだ。しかも、国会論戦や記者会見で自らの考えを示すよりも、記者の囲み取材やSNSのX(旧ツイッター)などによる一方的な発信を重視している。

人との会話を好まず、部屋にこもりきりで資料に目を通し、側近ともメモやメールでやりとりをしている。決定は常にトップダウンで、誰とも相談しない。なかには日米首脳会談を控えて、安倍晋三元首相の懐刀と言われ、高市氏のたっての願いで内閣参与となった今井尚哉氏と激しく衝突した(ただし今井氏は明確に否定)とか、執務室の奥に籠って、側近でさえメモで指示をつたえるといった報道も相次いだ。

高市氏に近い議員たちの間でも、このままでは孤立してしまう、党内で少し風通しを良くした方がいい、睡眠不足や食事が細いのも心配だ、そんな声が出始めている。

しかし、そんな心配の声をよそに高市氏は走り続けている。政治家との会食などは相変わらず数えるほどだが、それ以外は明るく積極的なサナエ流を貫いている。官邸にも著名な外国人投資家や日本人のタレントを招いて面談することも多い。

10日には、小学生の頃からの大ファンだという英国の伝説のロックバンド「ディープ・パープル」を官邸に迎え、「私の神様!」と少女のようにはにかんでみせたかと思うと、「いまでも夫とケンカすると『BURN(バーン)』をドラムで叩いて呪いをかけるんです」と同バンドのヒット曲にひっかけたジョークを言った。

「BURN」は日本でも「紫の炎」の題名で発売されたが、その歌詞のなかには「女は言った『お前ら全員呪ってやる! 燃えてしまえ(バーン)!』」というくだりがある。