ネコの体内時計を侮ってはいけない理由

ネコの体内時計は、なかなか正確です。毎朝、同じ時刻に飼い主を起こしにくるネコもいます。

そもそも、厳しい自然界に生きていた時代、ネコにとって時刻を間違えることは、生死にかかわる問題でした。

寝坊して、いつもと違う時刻に狩りに出れば、獲物の小鳥やカエルはもういないかもしれません。そんなことが何日も続けば、衰弱して餓死することにもなりかねません。

狩りをする必要がなくなった飼いネコも、野生時代の本能は失ったわけではありません。ネコは、時刻という認識こそないものの、正確な体内時計に従って、彼らなりに1日のスケジュールを組み立てて暮らしているのです。

人間よりも犬よりも高音を聞き取る耳

聴覚の謎1――どのくらい耳がいいか?

ネコを飼ったことのある人は、ネコの耳のよさに驚かされるものです。飼い主が家に近づいてくると、人間にはまったく聞こえない足音を聞き取って、ドアの前で待っていたりするのです。では、ネコの耳はどれほどいいのでしょうか?

ドアで待っている猫
写真=iStock.com/damedeeso
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人間の可聴域、つまり音の聴こえる範囲は16〜2万ヘルツ程度ですが、ネコのそれは25〜7万8000ヘルツ。このヘルツ(Hz)は音の周波数の単位で、数字が大きくなると、より高音ということになります。イヌは62〜5万ヘルツなので、ネコの耳は、ヒトはもちろん、イヌよりも高音を聞き取ることができます。

またネコは、音のする方向を正確に判断できます。実験によれば、ネコは18メートル離れたところから、50センチ間隔で鳴った2つの音を区別できたといいます。

むろん、高い所、低い所から発信した音源も、それぞれ的確にその音がした場所を判断します。

その耳のよさをネコは、ハンティングに役立ててきました。イヌは獲物を追いかけて捕まえますが、ネコは追いかけるほどのスタミナがないため、もっぱら待ち伏せ方式で狩りをします。そのため、聴力で獲物の居場所を把握しておく必要があったというわけです。