腸から脳へ連鎖する「漏れ」
小麦に含まれるグリアジンによって分泌されるゾヌリンは、血流に乗って脳にいたる場合がよくあります。
でも、脳には本来「血液脳関門」と呼ばれる、脳の血管に不必要なものが入るのを防ぐためのバリアが存在します。ただし、その血液脳関門のつなぎ目にゾヌリンが作用すると、タイトジャンクション(※細胞と細胞の間がしっかりと閉じられている状態)が開きやすくなってしまうのです。
つまり、小麦によって脳がダダ漏れしてしまうということ。そうして、そこから細菌や毒素などが入っていく「脳漏れ」と呼ばれる状態が引き起こされます。私の臨床経験からすると、「腸漏れ」の症状がある人は、ほぼ漏れなく「脳漏れ」の症状が見られます。
腸の状態が悪い人は、脳の状態も悪いといえるのです。
認知症を早める脳のシミ
脳に炎症が起きると、いったいどうなるのでしょうか?
脳が炎症すると、結果としてアルツハイマー型認知症をはじめ、さまざまな認知機能障害を起こしやすい状態になります。先に、炎症は一種の老化現象だと書きましたが、脳内の炎症と、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症が深く関わっていることは、すでに多くの論文であきらかになっています。
免疫システムを狂わせてしまう炎症を引き起こすことが、認知症の原因のほぼすべてといっていいかもしれません。
アルツハイマー型認知症をはじめ、認知症には共通点があります。それは、脳に「アミロイドβ」というタンパク質がたまってしまうこと。具体的には、アミロイドβとは、リポフスチンと呼ばれるタンパク質と脂質の混合物です。もっと単純に、老廃物や毒素と考えてもよく、見た目も中身も、皮膚にできるあの褐色の「シミ」とそっくり。
このシミが脳にたまっていくと、やがて認知症を引き起こします。これまでの認知症の治療や研究開発は、この脳のシミを取り除くことに力を入れてきました。
でも残念ながら、アミロイドβをいくら除去しても、認知症はなかなか治りません。それはなぜなのでしょうか?

