手元の金融資産を見直す
② 資産を目的ごとに整理する
次に行ったのは、手元の金融資産を目的別に整理することです。
このご家庭は、銀行預金とNISA、合わせて710万円の資産を保有しており、家計の土台はしっかりしていました。一方で、結婚費用、生活防衛資金、住宅購入資金、教育資金、老後資金といった役割が明確に分かれていたわけではなく、「いま使っていいお金」と「将来のために残しておきたいお金」が少し見えにくい状態でもありました。
そこで、資産を短期・中期・長期の3つに分けて考えました。
短期は、結婚費用や生活防衛資金など、近い将来に使う予定のあるお金。中期は、住宅購入や、その後の教育費準備につながるお金。長期は、老後資金やインフレへの備えとして、時間をかけて育てていくお金です。
このように役割を分けて考えることで、資産の全体像が整理され、住宅購入や出産といった大きなライフイベントを前にしても判断しやすくなります。漠然と「貯めなければ」と考えるのではなく、それぞれのお金に意味を持たせていくことが、安心感にもつながっていきました。
③ 固定費を見直し、毎月の資金の流れを整える
また、資産を目的ごとに整理した上で、毎月の家計の流れについても確認していきました。
光熱費の契約プラン、スマートフォン料金、利用頻度の低いサブスクリプションサービスなど、毎月決まってかかる固定費を見直してみると、生活水準を大きく変えずに、月2万円ほど見直せる部分が見えてきました。
その上でライフプランを踏まえると、短期的に必要となる資金は手元の資産で賄える状態のため、毎月の余力については、中長期の資産形成に回していく形で整理しました。
具体的には、すでに活用していたNISAを継続しながら、拓海さんが月1万円で行っていた積立を月3万円に増額しました。これにより今後必要となる教育資金や老後資金に向けた準備を、無理のない形で進めていきました。
④ 保障は今後の家計に必要なものを整理する
保障についても、万が一のことがあった場合に、いまのライフプランにどのような影響が出るかを見ながら整理していきました。
お二人とも医療保険には加入していましたが、出産や住宅購入を考えていく段階では、入院時の備えに加えて、万が一の死亡や長期の就業不能によって収入が減少した場合の家計への影響も確認しておく必要がありました。特にこのご家庭では、世帯収入の中で拓海さんの比重が比較的大きく、働けない期間が長引いた場合には、その後の家計設計にも影響が出やすい状況でした。
一方で、現時点ではまだお子様がいないことや、将来的に住宅購入をした際には団体信用生命保険の活用も想定できることから、まずは現状に合った就業不能保障を確認し、その後は妊娠・出産や住宅購入といった節目に応じて見直していけるよう、将来の変化に合わせて調整できる形で備えを整えていきました。

