「選別」を止められるのか

それでは、この「残酷な選別」を食い止めるために、何が必要なのでしょうか。

重要なのは、子どもを持つかどうかという選択そのものではなく、その選択を実現できる条件を社会としてどこまで整えられるかという点です。

教育費や住宅費の負担軽減、働き方の柔軟化、育児とキャリアの両立支援――こうした環境整備によって、「望めば誰もが親になれる可能性」を広げていく必要があります。

子どもを持つことが一部の人にだけ開かれた選択肢であり続けるのか。それとも、より多くの人にとって現実的な選択肢となるのか。

その分岐点に、いま私たちは立っているのかもしれません。

〈参考文献〉
(*1)Hansen, T. (2012). Parenthood and happiness: A review of folk theories versus empirical evidence. Social Indicators Research, 108(1), 29–64.
(*2)Andersen, M. L., Sunde, H. F., Hart, R. K., & Torvik, F. A.(2024). Parenthood, mental disorders, and symptoms through adulthood: A total population study. medRxiv.
(*3)(アメリカ)Nomaguchi, K., & Milkie, M. A.(2023). Trends in the parenthood gap in health and well-being among U.S. women from 1996 to 2018. Socius: Sociological Research for a Dynamic World, 9. 、(イギリス)Mansfield, R., & Henderson, M. (2025). Parenthood and mental health: Findings from an English longitudinal cohort aged 32. Social Science & Medicine, 383, 118471.

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