出向かずに使える宅配型トランクルーム
寺田倉庫はトランクルームのサービスでも、1975年に開始したパイオニアである。個人の家財を預かるほか、法人向けに書類や映像・音楽コンテンツの記録メディアを扱う。アート作品やワイン、建築模型の保管も手掛け、作家やコレクターから預かる作品をはじめとする現代アートと建築を紹介するWHAT MUSEUMを2020年、天王洲で開業した。
ミニクラ利用者には、貴重な資料を管理してきた実績をもとに「寺田倉庫だから」と選ぶ人も多いという。実際、預けるとなると、紛失や損傷のリスクがある。外気にさらされた倉庫では、高温多湿な夏に衣類にカビが生える、書籍が膨張するといった心配もある。
貴重な家財を預ける場合は24時間365日、温度や湿度を一定に保つトランクルームでの保管が望ましい。自宅でも、「閉め切ったクローゼットだと、夏場は湿度が80%を超える場合があります」と浅見さんは話す。
2012年にミニクラを始めたのは、トランクルームの競合が増え価格競争が活発化していたことに加え、個人向けにITを活用した新しい倉庫のサービスができないか検討していたからだ。
トランクルームは一定の広さを確保して自由にモノを入れることができ、自分の都合に合わせて出し入れできる点が魅力だが、逆に言えば自ら足を運ばなければならず、重いモノやかさばるモノを運ぶのが大変といった側面もある。自宅に居たまま預けることができるミニクラは、ハードルを下げるためにできるだけ料金を低く設定し、スタートさせた。
送料を別にしないことも、1点ずつ撮影するのも手間とコストがかかるため、「当初は今ほど送料がかからなかったとはいえ、黒字化するには時間がかかりました」と浅見さん。
毎年120%で伸び続けている理由
近年トランクルーム市場の伸びは著しいと言われるが、成長率は年110パーセントほど。そのうち数パーセント程度を占めるに過ぎない宅配型トランクルームは、市場がまだ小さいこともあり、ミニクラの場合で年平均120パーセント程度も伸びている。特に巣ごもり需要の影響が大きかった2020年と2021年は、150パーセントも伸びた。
預かっている家財は、衣類やフィギュアといった趣味のモノ、書籍などが多い。「運ぶ途中で割れるリスクがある食器は、あまりおすすめしていません。また、お金や有価証券は預け入れできません」と浅見さん。
サービスの平均継続年数は3年で、平均保管箱数は11箱。どちらも徐々に伸びているという。預け入れや取り出しの動きは、コートなどの季節衣類が多いそうだ。
寺田倉庫は定期的にユーザーアンケートを取っている。その中に出てくる利用者の声として多いのは、「部屋が片づいた」が6割を占めるほか、「預けたことで気持ちがすっきりしました」という声も2割ほどある。


