まずはスーパーの買い出しに付き合おう

肉や魚を焼くにしても煮るにしても、火にかけた直後から手をかける必要があるのか、最初の数分は放っておけるのか、出来上がるまでに何分かかるのか、その間に何ができるのか……をケースバイケースで実行していくのです。

料理は、素晴らしい“頭の体操”になります。定年退職によって使わなくなってしまう危険性の高い“ビジネス脳”を駆使する、絶好の機会でもあるのです。

それでも、「包丁を握ったこともない」「インスタントラーメンも作ったことがない」という男性もいるでしょう。そんな人は、休日を使って料理学校に通ってみるのもいいかもしれません。近ごろは“シニア初心者男性”向けの料理教室がたくさん開かれています。料理を学び、没頭できるようになれば、一石二鳥にも三鳥にもなります。

とはいえ、台所を自分だけの“聖域”と考えている妻もいますから、そこにいきなり踏み込んで、料理を始めてはいけません。まずは、休日の買い物に付き合うことぐらいから始めて、次に食後の後片付け、皿洗いなどに立候補してみる。妻が喜んでくれるようなら、頃合いを見計らって「今度の日曜日の夕食、つまみを一品作ってみてもいい?」というような感じで、少しずつ慎重にことを進めてください。

“依存度”を減らせば仲良く暮らせる

くれぐれも「やってやる」という態度は禁物。「やらせてもらう」という精神でいきましょう。美味しい食事は、笑顔につながります。旨い料理ができれば、振る舞った人には喜ばれるし、自分自身も嬉しい。そうなれば、料理すること自体が楽しくなってくるはずです。

弘兼憲史『弘兼流 人生は後半戦がおもしろい』(中公新書ラクレ)
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自分の食べたいものを作れる、というのも大きなメリット。「昨日は肉だったから、魚を食べたいな」「今日はご飯より、麺がいいな」「あっさりとしたものがいい」「山椒をたっぷり効かせた麻婆豆腐が食べたい!」なんて思ったとき、「今日の夕食は僕が作るよ」と妻に伝え、颯爽と買い物に出るのも楽しいものです。

また、外出した妻の帰りが遅くなったり、旅行などで家を空けたりするときでも、食事に困ることがなくなります。妻への依存度がグッと減るので、心に余裕ができるのです。

すると、妻の外出に対しても寛容になれる。

「食事は適当に作るから、ゆっくりしてきていいよ」

そんな夫の態度が妻のストレスを減らし、「夫源病」の防止につながるでしょう。

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