実は親友と浮気していた

寂しさにかられ、亡き妻の洋服や香水の匂いをかぎ、化粧落としのクリームを顔中に塗りたくるシュミット。妻に会いたい。ヘレンのような妻がいて、私は幸せ者だった。目の前の幸せに感謝するべきだった……失ってしまう前に――。

ところが、そんな心境になったシュミットは、愛すべき亡き妻ヘレンが、実は浮気をしていたことに気づいてしまいます。しかもその相手は、唯一の親友であるレイでした。元勤務先の後継者から邪魔者扱いされ、娘から見放され、鬱陶しく思っていた妻に先立たれ、感謝すればよかったと遅すぎる後悔をした直後、その妻が親友と浮気していたことを知ったのです。

定年退職の送別会で、他ならぬレイが「生涯をかけてシュミットが得た」と語ったものすべてが、上辺だけだったことを悟ったのです。そしてシュミットはキャンピングカーに乗り込み、自分探しの旅に出かけました。

“妻を亡くした夫は、追いかけるように早死にする”
“夫を亡くした妻は、人生を楽しんで長生きする”

とはよく聞く話ですが、それに関連したこんな数字を見つけました。

女性は結婚しないほうが長生きする

2021年の「人口動態調査」(厚生労働省)をもとに、15歳以上の死亡者の結婚経験を「未婚」「離別」「死別」「有配偶(配偶者がいた)」に分類し、それぞれの死亡年齢の中央値を算出したところ、夫と「死別」した女性が90.2歳なのに対して、「有配偶」の女性は78.3歳となったのです。

まさに「夫がいる妻の寿命は短く、夫を亡くした妻は長生きする」ことを証明するかのようなデータですが、夫と「死別」した女性には、夫婦がお互いに長寿を全うした後、夫が先に亡くなったケースが多く含まれる一方で、「有配偶」つまり夫に看取られた女性には病死・事故死などが多いと思われるので、これくらいの差は当然といえるようです。

その証拠に、実は男性も「死別」が87.7歳、「有配偶」が81.1歳となっています。これも「妻に先立たれた夫は長生きする」のではなく、「80代後半まで生きた後、妻に先立たれた人が『死別』に含まれているから」と見るべきなのでしょう。

ただ、女性の「未婚」は81.1歳、「離別」は80.8歳で、未婚が離別を上回っているのに対し、男性は「未婚」67.3歳、「離別」72.4歳で、離別が未婚を上回っています。「男性は結婚したほうが長生きする」けれど、「女性は結婚しないほうが長生きする」のかな……と考えてしまう数字ですね。