いまや3人に1人ががんにかかる時代だ。いざ自分が、家族ががんになったら──。3組の夫婦から生きることの喜びを学ぶ。
「生きている人、みんなが自分の『いのちのクルマ』を運転しています。『先生、お任せします』といってしまうと、ハンドルから手を離したのと同じです」と語る樋口強さん。
「生きている人、みんなが自分の『いのちのクルマ』を運転しています。『先生、お任せします』といってしまうと、ハンドルから手を離したのと同じです」と語る樋口強さん。

走れ、走れ、いのちのクルマ――。

1996年5月、東京都内の総合病院で9時間以上におよぶ右肺上葉の小細胞がんの手術を終えた樋口強さんは、大きな人生の岐路に立っていた。