3~5年の別居で離婚は認められる

相手が拒んでいても、別居をして離婚の交渉をすれば、少しずつ離婚に向かって動き始めます。

交渉がうまくいかなくても、3年から5年ほど別居をしていれば、裁判で離婚が認められます。財産分与も、夫の意向次第で1円ももらえなくなるということはありません。

ただ、A子さんはどうしても別居に踏み切れないというのです。そして「しばらく考えます」と言い、その日の相談は終わりました。

介護をきっかけに別居が実現

それから約1年後、A子さんから再び相談の問い合わせがありました。「実は別居できました」と言うのです。

相談に来ていただいて何があったのか聞くと、A子さんの親の体調が急に悪くなり、介護が必要な状態になったということでした。

病院への付き添いや日常生活のサポートが必要になり、介護のためにしばらく実家に帰らなければいけないと夫に伝えたそうです。

もちろん夫は反対しました。「俺の世話はどうする」「介護なんて施設に任せればいい」「なんとかしろ」と怒鳴ったそうです。

しかしA子さんが病院の資料なども示して親の病状を説明して、「じゃあうちで引き取って介護できるの?」と聞くと、さすがの夫もしぶしぶ介護のための別居を認めたそうです。

こうして、A子さんは実家に戻り、結果的に夫と物理的に距離を取ることができたのでした。

別居当初、夫は「『しばらく』とはいつまでなんだ」「週末だけでも帰ってきて家事をしろ」と頻繁に連絡してきていましたが、介護がある以上、強くは言いにくかったのか、連絡の頻度が少なくなり、内容もトーンダウンしてきているということです。

「別居できたので離婚の交渉を始めたいです」ということで、A子さんから離婚交渉の依頼を受けることになりました。

車いすに座っているシニア女性
写真=iStock.com/Hanafujikan
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