親の感情爆発期②【小5:12月の第1週】
焦る親とのんきな子の温度差
晩夏の荒波を乗り越え、前に進もうとしていた矢先。再び感情が爆発しそうになるのが小5の12月の1週目だ。
「この時期は、親子間で受験勉強への意識の差がもっとも開いている時期かもしれません。そのため小5の8月よりこの時期のほうが、怒りが沸点に達しやすいです。
小5の12月から、多くの塾は新しい単元を習う最終段階に入り、学習内容がズシンと重くなります。算数なら立体図形や比の応用などの抽象的な概念を扱い、難化します。理科は多くの受験生が苦手意識をもつ電流や物理の計算が続きます。歴史は明治時代に入り、人名や事件名など漢字で覚える用語も増加。食べ物でいえばステーキや牛丼などの重厚メニューが勢揃いで、消化不良を起こしやすい。
親は、この時期の重要性をよく分かっています。冬期講習の費用も昨年より跳ね上がっている。さらに『新6年』というワードが通知や教材から目に飛び込んでくるようになり、中学受験もリアリティが増してきます」
だが我が子に目を向けると、受験なんてどこ吹く風とばかりに平然と動画やゲームに興じている。そこにきて難しい単元が続くと勉強へのモチベーションも下がり、ますます机から逃げだそうとする。塾をサボったり、宿題は答えを見たり……。理解できないからこそ向き合わなければならないのに。そこでプチンと、堪忍袋の緒が切れるのだ。
そしてこう言い放って、自己嫌悪に陥るのだ。
「いい加減にしなさい。ゲームやめなさい」「習い事も終わり」「遊んでいる場合じゃない」「そんなんだったら塾辞めよう」自分が受験したいって言ったんでしょ」「○○中学に行きたいって、あなたが言ったんでしょう」
【対策】この時期は、一度感情を爆発させてもOK
親子の関係も悪化しがちだが、富永さんは「ガス抜き」したほうがいいと話す。
「この時期だけは、親御さんも直球で感情を出していいと思います。入試本番まであと1年あるので、メンタル的にもリカバリーしやすいし、親子関係を再構築する時間もあります。逆に、奥歯にものが詰まった言い方をすると伝わりません。目の前の娯楽で頭がいっぱいの子供に志望校の話をしても響く可能性は少ないでしょう」
ただし、恒常的に怒ってはいけない。1年に1~2回ほど感情に任せて真剣に怒ったほうが子供には響く。そのベストタイミングが、ギアを上げるべきこの時期なのだ。親が怒りたくないなら、塾の先生に叱ってもらうのも手だという。

