100点満点の資料は本当に必要か

これは、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンやAppleのCEOであるティム・クックも同様です。彼らは決して準備をしていないというわけではありません。むしろ、自分の頭の中にある叡智をフル活用している。

彼らは事前に100万倍速のAIを活用して膨大な資料を読み込ませ、その上で、自身の直感で話す内容を選び、聴衆の前で1倍速で話しているのです。

言うまでもなく、人の心を動かすのは1倍速です。面接でも商談でも、資料に目を落としながら話のと、面と向かって話すのでは、まったく違います。AIに長けた彼らはそのことをよく知っています。これが今の最先端の働き方なのではないでしょうか。

多くの日本人は常識や慣習を大事にする文化があります。無駄な資料作成もその最たる例でしょう。

これを読んでいるビジネスパーソンの中にも、資料作成に多くの時間を費やしているのではないでしょうか。中には、資料作成のために残業をしているという人も少なくありません。

そもそも、「これって本当に必要なのかな」という資料はありませんか? たった1回の会議の資料をそこまで綺麗に作り込む必要はありますか?

これもまた、「コスパ」「タイパ」の無駄遣いです。

「可動域を広げる」

巷では通称「霞が関曼荼羅」「霞が関パワポ」などと言われて嘲笑の対象となっている資料があります。もとは官僚が大臣などに説明する際に作成されたり、後々突っ込まれたときに「あの資料に書いてありました」と言い訳をするための資料と言われていますが、その価値や必要性をあまり考えずに無駄だと思いながら作り続けている資料があるとしたら、すぐにやめるべきなのです。

ビジネスプレゼンテーションやセミナーでのボードルームテーブルの書類と手
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やはりこれからの働き方として大事なのは、常識や慣習にとらわれることなく、いかに本質を見据え、選び取ることができるかどうか。そんな直感を鍛えるためにやるべきなのは、AIにはない“足”を動かすこと、特に「可動域を広げる」ということです。

なぜ「可動域を広げる」ことが大事なのか。日本の発展が止まってしまっている大きな理由のひとつに、多くのビジネスパーソンが狭い領域でしか物事を考えることができない、ビジネスができないということが挙げられます。

今は生成AIの進化やDX化など、変化が激しく不確実性の高い時代だからこそ、可動域を広げて答えのない問いに挑み、リスクを取る可動域の広い働き方が不可欠なのです。