時間が足りないと嘆く経営者は多い。そうした会社では社員も時間に追われている。なぜ時間が足りなくなってしまうのか? 経営者は時間とどのように向き合うべきなのか? 会社を強くする時間の仕組みとは? 経営者の視点から時間術を語り、経営者のみならず一般社員からも多くの支持を得ているのが『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』(小山昇著)だ。経営のカリスマとして全国の社長から厚く支持される小山氏が時間の使い方について語った。

判断を早くすることは、時間を節約する究極の方法です。いろいろ考えて悩むのは、時間の無駄であることが多い。

特に社長にとっては素早い決断は生命線です。本人はああでもない、こうでもないと頭をいっぱいにしていると、仕事をしている気になっていますが、悩んでいる間は何ひとつとして事態が進展しません。1週間かけて考えたことと、1日かけて考えたことの結果が同じなら、1週間という時間はいったいなんだったのでしょう。

悩んでも悩まなくても、結論は変わらないことが多いです。それなら1日で決断したほうがいい。なかには1日どころか一瞬で決めてしまっても、何の問題もない案件も多いです。

即断即決できるコツを2つ教えましょう。

1つは、「損をしてもいい」と腹をくくることです。物事をなかなか決められない社長は、たいていの場合、「ビタ一文損をしたくない」という気持ちが障害になっています。私は実践経営塾の社長からいろいろな相談を受けますが、ほとんどの質問はその場で即座に答えを出します。判断を保留にすることは、ほとんどありません。

もちろん他社の大事な経営判断を誤る可能性もゼロではない。でも私は間違ったら損失補填すると決めています。最大1000万円までなら損失補填する。年間500万円の売り上げの会社は500万円まで。そう決めているから、オール即決できる。

新しい決定によって失うものもあるが、得られるもののほうが多い。リスクがあっても、やったほうがいいことが多い。今、決めないことが損です。チャンスを逃さないことのほうが大事です。

即断即決するもう1つのコツは、「間違ってもいい」と肩の力を抜くことです。なぜ多くの社長が即決できないかというと、どんなときも毎回正しい決定しようと思うから。しかしそんなことは所詮あり得ないのです。

オセロでも将棋でもトランプでも、相手がある勝負では、100回戦って100回勝つことなど絶対にありません。だったら早く決めたほうがいいに決まっている。