どこのスーパーでも買える風邪対策食材
薬以外で、風邪のときに役立つ食材があります。その一つがハチミツ。複数の臨床研究を総合した結果では、ハチミツが咳の頻度と重症度を減らすという中程度のエビデンスが示されています(※6)。
ですから、夜寝る前にスプーン1杯のハチミツをなめましょう。紅茶やレモン水に入れて飲むと喉の保湿にもなります。私も喉が痛いときは部屋を加湿・加温した上で、ハチミツをなめて寝ています。ただし、1歳未満の乳児はハチミツに含まれるボツリヌス菌によって重篤な食中毒になるリスクがあるので絶対に与えないでください。
それから欧米で「おばあちゃんの風邪薬」と呼ばれる温かいチキンスープもおすすめです。ある研究では、チキンスープが白血球の動きを抑えることで過剰な炎症反応を和らげる可能性が示されました(※7)。完全に証明されたわけではありませんが、少なくとも水分と栄養を摂れますし、温かいものは喉にもやさしいといえます。
要するに、スーパーで買える普通の食材で十分対応できるのです。変に高い総合感冒薬を買うより、ハチミツとチキンを買って家でゆっくりスープを作ってたっぷり寝る。これが一番効きます。
※6 Abuelgasim H, Albury C, Lee J. Effectiveness of honey for symptomatic relief of upper respiratory tract infections: a systematic review and meta-analysis. BMJ Evid Based Med. 2021;26(2):57–64.
※7 Rennard BO, Ertl RF, Gossman GL, et al. Chicken soup inhibits neutrophil chemotaxis in vitro. Chest. 2000;118(4):1150–1157.
周囲にうつさないためにもしっかり休む
基本的に風邪はウイルス感染ですから、どのようなウイルスの風邪でもうつる可能性があると思ったほうがよいでしょう。新型コロナウイルスだから、インフルエンザだからうつる、他の風邪はうつらない、というわけではありません。いつでも、誰でも、どんな風邪でも必ずうつる可能性があるのです。
コロナ禍を経て、社会全体で「風邪をひいたら休む」という意識が少しずつ広がってきました。しかし、また最近、この素晴らしい風潮が薄れつつあります。「早めの○○」「喉からくる風邪には○○」などという風邪薬のCMによって、また「風邪薬を飲んで頑張る」「風邪を早く治す」という昔に戻りつつあるように感じます。
風邪をひいた人が無理に出社したり外出したりすると、周囲にウイルスをばらまくことになります。次のパンデミックの第一歩は、そういう「軽い風邪」から始まるかもしれません。自分のためだけでなく、周りのためにも、風邪をひいたらしっかり休む。それが社会全体の共通認識になってほしいものです。
風邪をひいたみなさん、どうかお大事になさってください。そして何よりも早めにゆっくり休んでくださいね。
(初公開日:2026年1月7日)


