総合感冒薬の「やっかいなところ」とは
こうした総合感冒薬のやっかいなところは、必要のない成分まで一緒に摂ってしまう点です。例えば、あなたが困っているのは喉の痛みだけなのに、総合感冒薬には鼻水止め、咳止め、解熱剤、カフェインまで入っています。必要のない薬を体に入れるということは、それだけ副作用のリスクが増えるということです。
ドラッグストアで総合感冒薬を手に取る前に、まずは裏面の成分表示を見てください。本当に今のあなたに必要な成分だけが入っているでしょうか。
特に問題なのがカフェインの配合です。多くの総合感冒薬には、眠気覚ましとして、あるいは頭痛を和らげる補助成分としてカフェインが配合されています。確かに、信頼性の高い医学的データでは、カフェインを鎮痛剤と併用すると頭痛への効果が少し上がるというエビデンスはあります。
しかし、よく考えてみてください。風邪をひいたとき、一番大切なことは何でしょうか。休むこと、しっかり寝ることです。ところがカフェインが入っていたら、寝つきが悪くなりますし、睡眠の質も低下します。つまり、風邪を治すために薬を飲んでいるのに、その薬のせいで睡眠が妨げられ、かえって治りが遅くなる可能性すらあるわけです。これは矛盾していると言わざるを得ません。
風邪をひいたらどうしたらいいのか
さて、風邪をひいたら、病院を受診したほうがいいでしょうか。じつは軽い風邪の場合は、内科や耳鼻科をわざわざ受診する必要はありません。軽い風邪での受診は、医療費の無駄遣いになりますし、医療機関の混雑を招きますし、さらには他の感染症をもらうリスクもあるためです。
しかも、先に述べたように風邪には特効薬はなく、それぞれの症状を緩和する対症療法の薬しかありません。また、ほとんどはウイルス感染ですから、抗生物質も効きません。それなのに医療者側が「念のために」と薬を出したり、患者さん側が「安心だから」という感覚でもらっていたりするのです。
もちろん、高熱が続く、呼吸が苦しい、意識がもうろうとする、といった重い症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。また子どもや高齢者、持病のある人の場合、心配ならぜひ受診してください。
一方、健康な成人で「ちょっと喉が痛い」「鼻水が出る」くらいなら、まずは自宅で安静にして、市販の単剤(必要な成分だけの薬)を使うほうが合理的です。風邪は「病院に行くべきもの」から「自分で管理するもの」へ。そういう意識の転換が必要な時期にきていると思います。

