日本メーカーを上回る燃費性能

世の中のPHEVの多くは電気モーター駆動とエンジン駆動を切り換えるパラレル式が多く、日本基準の場合ではそれほど優れた燃費にならないことが多い。

たとえばシーライオン6とボディサイズ的に大きく違わない三菱アウトランダーPHEVの燃費は17.2km/L、マツダCX-60 PHEVは14.3km/L、ボルボXC60 PHEVは14.3km/L、メルセデスベンツGLC350eは12.0km/Lである。

どれも4WDという不利はあり、動力性能もシーライオン6より優れているが、燃費ではシーライオン6に大きく見劣りするのだ。

世界に誇るトヨタハイブリッドシステムを採用するRAV4 PHEVはさすがに優秀で22.2km/Lだが、シーライオン6はわずかながらRAV4 PHEVも凌駕しているのである。RAV4は4WDなので2WD仕様があればシーライオン6より優れた数値にはなるだろうが、それほどBYDのDM-iシステムは優秀だ。

ホンダは現時点でPHEVがラインアップされていないのでハイブリッドと比較すると、ZR-V e:HEVの2WDモデルの燃費は22.1km/Lである。これは1kWh程度の小さなバッテリーしか搭載していないので(シーライオン6は18.3kWhのバッテリー搭載)、加速性能も大きな差はなく、数値上ではホンダe:HEVよりBYD DM-iのほうが優れていると言っても過言ではない。

驚異の価格戦略

さらに驚異的なのは、シーライオン6(2WD)の価格が398万2000円という事実だ。RAV4 PHEVは566万1700円もするのである。

三菱アウトランダーPHEVは最も安いモデルで529万4300円である。一回り小さいエクリプスクロスPHEVでも465万800円からだ。

シーライオン6は装備も充実しており、パノラマサンルーフ、ヒーター/ベンチレータ付電動シート、V2L/V2H機能など標準装備で、新車保証も一般保証6年/バッテリー8年と長い(トヨタPHEVは一般保証3年/バッテリー5年)。この競争力の一定部分は中国政府の補助金によるものかもしれないが、現在のBYDの技術力・価格競争力は相当なものなのである。

現在中国の新エネルギー車の対象となるのはBEV/FCV/PHEVだけなので、BYDは通常のハイブリッド車は生産していない。もしプラグイン機能を排して小型バッテリーを搭載したハイブリッド仕様を作ればさらに価格を下げ、燃費も向上させることが可能だろう。