「医師は短命」という噂は本当か?

医師は短命という話を耳にすることがあります。しかし近年の大規模な疫学研究は、少なくとも医師という職業全体の平均像としては、むしろ逆の傾向を示しています。

米国の2020〜2022年の死亡統計を用いた研究(25〜74歳を対象)によると、医師全体の死亡率は10万人あたり269人(10万人集めた集団があると仮定したとき、1年間に約269人が死亡する計算)と、同程度の高所得の一般職(499人)や一般職全体(731人)より低い結果でした。つまり、医師は全体としては長生きしやすい傾向にあったのです。

ただし一般の職では女性の死亡率が男性の約半分だったのに、医師ではほぼ同じという結果でした。これは女性医師が不利というより、医師という仕事の負荷が男女ともに強く、一般社会の女性で見られる事故・危険作業の少なさ、生活習慣、受診行動などの差が医師集団では小さくなるからのようです。