海外展開も好調だ。現在、海外売上比率は45%。筆記具の世界最大手は仏ビック社で、売上高は約1800億円と三菱鉛筆の3倍以上になるが、ライターやひげ剃りの売り上げが大きく、筆記具は全体の3割にすぎない。三菱鉛筆は世界市場で戦うグローバルプレーヤーなのだ。永澤取締役はいう。

「日本のメーカーは100円から500円くらいの中価格帯に強い。仏ビックや中国のメーカーは箱入りで売られる廉価品には強いのですが、新商品は開発しません。新機能をアピールして、1本売りができているのは日本製なんです」

08年のリーマンショックでは、筆記具メーカーを「経費削減」というショックが襲った。この結果、「備品」としての大量購入は減った。だが筆記具なしに仕事はできない。

「会社の備品なら文句はいわないが、自腹で買うならよいものを選びたい」という嗜好から、店頭での小売販売は踏みとどまった。機能開発を続けた成果だろう。

広報担当の飯野尋子氏は「あくまで個人的な印象ですが」と前置きしつつ、こう分析してくれた。

「スマートフォンを使うような人ほど、ノートや手帳へのこだわりが強いように感じます。1本1000円のジェットストリームを購入されるのもこの層です。デジタルを使うほど、アナログのよさが見えてくるのかもしれません」