武田薬品の成功、東芝の失敗

「資産の部」に並ぶ勘定項目の中には、硬度が高いものも低いものもあります。それを見分けながら読まなければ、そこで表現されている財政状態を正確に推理することはできません。

会計は信頼性が大切ですから、硬度の低い項目に警戒心を持たなければいけないことはいうまでもありません。そして「資産の部」でもっとも硬度が低いのは、これまでも何度か触れてきた「無形資産」です。

第1章では、2019年に武田薬品がシャイアーを推定6.8兆円で買収した話をしました。工場の設備、土地、棚卸資産など有形の固定資産は1,7兆円分程度しかありませんでしたが、買収金額の75%は収益力をもたらす無形資産の値段だったわけです。