民主制の社会には通用しない

考えてみれば当然のことだが、斬首作戦が有効に機能するのは、権力が一人の指導者に極端に集中し、その人物が国家そのものを体現している体制に限られる。北朝鮮がまさに典型例であり、ベネズエラもそれに該当するだろう。

だが台湾は、その正反対に位置する。

台湾は民主制が敷かれており、権力は分散され、制度化された継承システムと官僚機構によって統治が維持されている。総統や一部の政治指導者が排除されたとしても、副総統、行政院、国防部、地方政府が即座に機能を引き継ぐ。軍の指揮系統も個人に依存しておらず、制度として構築されている。つまり「政治指導者の首を取れば国家が止まる」という前提条件そのものが成立しない。