やりたい仕事が分からない時にはどうすればよいか。元日本テレビアナウンサーの藤井貴彦さんは「人生のエンジンがかからない状態の時に私が勧めるのは『書く』ことだ。特に才能もない私がアナウンサーになれたのは『徹底的に書く』ことで自分の軸を見つけることができたからだ」という――。

※本稿は、藤井貴彦『伝える準備』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

長年続けている仕事日記

日記は、自分を俯瞰で見るドローン

さて、言葉を選ぶためには、たくさんの言葉を引き出しに集めておくことが大切、とお伝えしてきましたが、私は1994年に日本テレビに入社してからずっと、日記を書き続けています。

後ほど詳しくお伝えしますが、主に仕事の日記です。

しかも小さな空間に5行だけ。

書き始めた当初は仕事内容のメモだけだったのですが、今では文章として空間にびっしりと書くようになりました。

振り返ると、この日々の積み重ねが言葉選びの土台になっていると思います。

日記を書いて一日を始めます
写真=iStock.com/Nathalie Pellenkoft
※写真はイメージです

日記でその日のコンディションがわかる

長年日記を書いていると、その日の自分がどんなコンディションなのかが見えてきます。

例えば、書いた1行の末尾が「しなければならない」というような場合、いくつかのことが見えてきます。

1つめは、その時の自分が「追いつく」立場にいるということです。

宿題をやらなければならない
電話で報告をしなければならない
お皿を洗わなければならない

これは、過去に対する仕上げが必要な状態です。

そんな時には「日々に追われているなあ」と気づくことができます。

もう1つは、「煮詰めるエネルギーが不足」しているということです。

私の日記は5行しか書けないので、

「しなければならない」というひらがな9文字はスペース的にもったいない!

また、そんな時はたいてい、ペンだけふらふら進んで、旨味の足りないおみそ汁のような日記になります。読み返してみても、どこかうす味です。

一方、好調な時は、漢字とひらがなのバランスが絶妙です。

読み返すと、俳句のようなリズムが生まれていることにも気づきます。

これは、長年書いていてもなかなかやってこない感覚ですが、主に、エキスになるまで煮詰めていない時に「しなければならない」が登場します。

また、疲れていて、他の表現が浮かばない場合にもよく見られます。

ただ、

「あれ、疲れているかも」と気づけば、こちらのものです。

日記は、自分を俯瞰で見ることができるドローンのような役割を果たしてくれます。