ヒンドは婚約してまもない日々のことをよく思い出しては、マリクのやさしさと揺るぎない支えについて話してくれた。「私たちはふたりとも、愛というのは『温かな家庭を築こう』という誓いだと思っている。子どもたちがふざけ合い、私が彼の好きな料理を作って、みんなで一緒に食べるような家庭を」
2023年の10月7日は、ヒンドがドレスを受け取りに行き、マリクが結婚式場の下見をする予定の日だった。ところがこの日、ヒンドのいとこがイスラエルの爆撃で殺された。結婚式は、どんなにささやかな式であっても、戦争が終わるまでは不可能になった。
マリクの気持ちはすぐに、自分の結婚式よりも人命救助へと向かった。彼は救急救命士だから、ガザ市北部にあるシファ病院に駆けつけ、できるかぎり人命を救うのが自分の義務だと考えた。
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当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら


