「帰れない」と泣き出す日本人を見て…

ところが翌朝になっても新しい帰国便が決まらない。大矢さんは参加者を部屋に待たせたまま、ホテルにやってきた航空会社職員と帰国便の座席確保の折衝にあたった。同じようにホテルで足止めを食らったツアー参加者以外の日本人観光客もおおぜいいたが、英語が話せない人が多く、右往左往するうちに「日本に帰れない」と泣き出す人もいた。大矢さんは見るに見かねて、業務とは関係のない56人の日本人の帰国便の手配を手伝った。

翌日になんとか全員を関西空港経由で帰国させることができたが、ちょうど5月の大型連休中で日本の交通機関が混みあっていたこともあり、大矢さんは「お客さまを無事に帰宅させられるか、終始冷や汗をかきっぱなしでした」と振り返る。

テンツキのツアー参加者は最近高齢化が進んでいて60歳代や70歳代が多い。参加者の安全と体調の管理に添乗員の果たす役割は地味だがますます重要になっている。