同社でこれまでに全社員2400人のうち、約300人の若手社員と約340人の管理職層が研修を受講した。グループ会社の教育研修を担当する東海東京アカデミーの石田和則人材開発部長は、若手と管理職層へ同時に研修を導入した理由についてこう語る。
「入社してくる人が多様な価値観や目的、目標を持つようになり、マネジメント層が自分の成功体験を教えてスキルアップさせるような人材育成のやり方がうまくいかないケースが多くなってきました。いくらスキルや知識を教え込んでもその先にある本人の将来像と違えば、そこに100%の力を注ぐことはできません」(石田部長)
個人の目的や価値観に根ざした本質的な時間管理の方法を教える一方、マネジメント層がその必要性を理解し、組織として取り組まなければ齟齬が生じ組織全体の生産性は向上しない。そこに若手層と管理職層の2層に対して研修を実施する狙いがあり、今後、同社の生産性がどれだけ向上するか興味深い。
(若杉憲司=撮影)