大事な場面で結果を出す人・出せない人は何が違うのか。ビジネス数学の教育者、深沢真太郎さんは「大谷翔平選手の発言を分析すると、『勝てる人=優れた能力×心のスイッチ』という公式が導き出せる。ここで使った分析方法はDASモデルというもので、あらゆる出来事を深く理解し、生活のなかで使えるようになる」という――。

※本稿は、深沢真太郎『本当に頭がよくなる シン・理解力 具体と抽象で鍛える数学的・言語化トレーニング』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

2023年3月21日、フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われたワールド・ベースボール・クラシック決勝戦で、アメリカチームを3対2で破り勝利を祝う日本チーム
写真=AFP/時事通信フォト
2023年3月21日、フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われたワールド・ベースボール・クラシック決勝戦で、アメリカチームを3対2で破り勝利を祝う日本チーム

あなたの理解力を高める数学的思考

「数学的思考」を使えば、誰もが理解力を身につけることができます。

では、数学的思考とはどういうものなのか。
  なぜ、数学なのか。
  なぜ、数学的思考があなたの理解力を高めるのか。

これらの疑問について、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。最初に、非常に重要な前提をお伝えします。

それは、「数学は『正しく』(誤解を恐れずに表現すれば「カンペキに」)理解することが求められる学問である」ということです。

「なんとなく(理解できたかも)」が許されない世界なのです(どうかここで本を閉じないでください。数学とはそういうものなのだ、という程度に考えてもらえれば十分です)。

たとえば、方程式という単元なら、「『方程式を解く』とはどういうことか」を正しく理解できている必要があります。

なぜなら、ある問題ではたまたま正解できても、別の問題で正解できないことが起こるからです。数学の世界では、これを「理解した」とは言わないのです。

実際、数学に強い苦手意識を持っている人に話を聞くと、たいてい「算数から数学に変わってからつまずいた」とか「高校で微分や積分が出てきた時点で数学を諦めた」という声が聞こえてきます。

聞いたことのある方も多いと思いますが、「数学は、理解の上に理解を積み重ねていく学問」ですから、いったん「理解不能」の状態になると、その先に進めなくなります。そのため、常に正しく理解することが求められるのです。

裏を返せば、私たちが数学を勉強した意味とは、「自分で『理解』を作る力を育むため」とも言えます。私たちが学生時代に数学を学んだことには、じつはものすごく大切な目的があったのです(多くの教員が、そのことを言語化してくれなかっただけです)。ですから、いまからでも数学的思考を身につけられたら、あなたの理解力は飛躍的に高まるはずです。

数学の勉強をすることなく数学的思考を身につけ、それを理解力に直結させる。それが、他の本ではなくこの本をあなたに読んでほしい最大の理由です。