腸内で糖代謝異常を引き起こしうる
驚くべきことに、これらの被験者の腸内細菌叢の組成は大きく変化していたのです。さらに重要な発見は、この変化したヒトの腸内細菌を無菌マウスに移植すると、そのマウスの耐糖能まで悪化するという結果でした。このことは、人工甘味料が直接ではなく、腸内細菌叢の変化を介して糖代謝異常を引き起こしうるという、これまでの常識を覆すメカニズムを示唆しています。このヒト試験は小規模ながらも、人工甘味料の短期間での大量摂取がヒトの血糖応答に悪影響を及ぼす初めてのエビデンスとして世界に衝撃を与えました。
その後も、人工甘味料と血糖コントロール悪化の関連を示す証拠は積み重なっています。2018年の研究では、人工甘味料を普段摂取しない成人33人に2週間スクラロースを投与したところ、明確なインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)が引き起こされることが示されました(Am J Clin Nutr. 2018 30535090)。さらに、19万人という大規模なコホート研究では、人工甘味料飲料の摂取量を1日あたり0.5杯以上増やした人は、その後の4年間で2型糖尿病の発症リスクが18%増加すると報告されています(Diabetes Care. 2019 31582428)。
これは砂糖入り飲料の場合の16%増加を上回る結果です。この研究は、砂糖入り飲料を水やコーヒー・お茶に置き換えることで糖尿病リスクが低下するのに対し、砂糖を人工甘味料に切り替えても糖尿病リスク低減効果は全く見られないと結論づけています。
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