「社会的価値」と「収益性」のバランスが問われる

リクルートの撤退は、婚活市場にどのような影響を与えるのでしょうか。

まず、「大手でも撤退せざるを得ない厳しい市場」という印象が広がれば、新規参入のハードルは上がります。マッチングアプリ・結婚相談所事業への参入障壁は、さらに高まるでしょう。

今回の撤退が浮き彫りにしたのは、社会的価値のある事業をどこまで継続すべきかという企業経営の普遍的な課題です。人の人生に深く関わる事業は、単なる収益性だけでは測れない価値と責任を持っています。しかし同時に、どんな企業も収益性を無視して続けることはできません。社会的価値と収益性のバランスをどう取るか――この命題に、簡単な答えはないのです。

リクルートの決断が正しかったかどうかは、数年後にしかわかりません。ただ確実なのは、この撤退が投げかけた問いに、業界全体が向き合わなければならないということです。

リクルート撤退で生まれる空白を、単なる顧客の奪い合いで埋めるのではなく、業界全体のサービス品質向上につなげられるか。婚活市場の成熟度が問われています。

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