川の氾濫をきっかけに、生活に困窮

金次郎は江戸時代後期に現在の神奈川県小田原市に百姓の長男として生まれました。二宮家はもともと村でも一番の地主でありましたが、天変地異によりその田畑はすべて流されてしまいます。酒匂川さかわがわで氾濫が起きたのです。

二宮尊徳生家
二宮尊徳生家(写真=Wakabayashi kazuki/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

そこから、二宮家の生活は一変します。流された田畑をなんとかしようと、父の利右衛門は必死に働き続けます。しかし、無理が続いたことで利右衛門は体を壊してしまいました。金次郎も田畑の仕事を手伝っていましたが、さらに金次郎は力を入れて田畑を耕すようになりました。

冬には田畑の仕事がないので、酒匂川の堤防工事を手伝っていました。しかし、大人に交じって子供の金次郎が同じように働けるわけがありません。そこで、金次郎は何かできることはないかと考えました。もともと草鞋わらじを作る手伝いをしていた金次郎は、工事をしている人たちの草鞋を作ることにしました。作業をしていると、草鞋の傷みが早く次々と替えなくてはいけなかったのです。