自分が悪くない証拠をかき集める
離婚の原因は相手にあって、「自分は悪くない!」と思ってるので、慰謝料を払うということはすなわち自分が悪かったことになるので絶対に折れないのです。お金には色が付いていないはずなのに高いほうは揉めず、安いほうが揉める……不思議です。
私としては慰謝料で精神を削って争って疲弊するよりも、財産分与に重きを置いて闘うほうをおすすめしたいのですが、しかし、「財産分与なんてどうでもいい、それより長年のうっぷんを晴らしたい、とことんやったる!」という人には、私もとことんおつきあいさせていただきます。
離婚の原因を作ったほうが作られたほうに、精神的苦痛を埋めるために支払わねばならないお金が慰謝料ですが、解決にはかなりの時間がかかります。離婚の相談に来られた人に、私はすぐに次のように言っています。「慰謝料が欲しいなら、解決は1年延びます」と。
先ほど申し上げたように慰謝料は精神的苦痛に対する慰謝ですから、精神的苦痛が大きくなればなるほど高くなります。総じてモラハラは低く、肉体的暴力や不倫は高くなりがちです。慰謝料を増額させるためには、いかに精神的苦痛が大きかったかを裁判官に理解させるのがキモになるので証拠を充実させる必要があります。
裁判で有利になる「DV写真」の撮り方
不倫であれば現場写真を押さえるのがベストです。腕のいい探偵は現場をクリアに撮影する能力を持っています。インターネットで広告を出している探偵の中には高くふんだくる割には何も結果を出せない詐欺のようなヤカラもたくさんいるので要注意です。
この点、大阪弁護士会が業務提携している3つの調査会社なら、これまでいつも結果を出してくれてきたので安心です(もちろん絶対ではありません)。弁護士の紹介だと割引があります(弁護士には1円も入りません)。
DVの場合は、やはり即座に医者に行き、診断書を取ることが重要です。写真は撮り方によって大きく結果が左右されるので、熟練の技が必要です。よくあるのは、「ほら! アザが酷いでしょ!」と見せられても、写真が下手でどこに写ってるのか分からないケースです。だれが見ても分かるように何度も撮り直しましょう。
このような確たる証拠が取れない場合、有効な補完策は「陳述書」です。できるだけ過去まで遡って、時系列で、どんなできごとがあったかを詳しく書き連ねるのです。迫真性に富み裁判官が理解できる文章であれば、客観的証拠より証拠力は劣るものの有力な証拠になってくれます。

