「くらしの手間暇」で情報から距離を取る

「仕方ないわね」というのはわたしの口癖のようなもので、それは忘れっぽさとともに案外、生きていくうえでのつよさにつながるものなのかもしれない。

くらしに手間暇をかける。そうすると、まるで眼鏡を着脱するように情報から距離をとるきっかけになる。ちいさい頃よく、本やビデオなどをずっと見たあとは、眼の負担を減らすために遠くの山々を見なさいと言われた記憶がある。どこに照準を合わせるかで、目の筋肉の動きも異なってくる。